ACF(Advanced Custom Fields)無料版お使いの方へ

こんにちは!藤本です。
大変大きなことが起きて注目されていると5日遅れで知りました。
WordPress.orgで「Advanced Custom Field(以下ACF)」が、10月13日に突然「Secure Custom Field(以下SCF)」という名称に変更されたそうです。

(ちょうど子供が昨日 10/17 まで風邪で小学校をお休みしていたのですが、その発熱39.8度出た初日ですね。。←言い訳)

この騒動に乗じて「〇〇のCMSに乗り換えよう」といった先導が多発する可能性があります。
試しに記事を書いている10/18お昼現在の「WordPress」とChromeの検索エンジンで打ったところ、出てきたサジェストワードに「終了」など出ていました。
大変多くのユーザーさんから問題視されている問題のようなので、少し深堀りしてお伝えしようと思います。

マット・マレンウェッグ氏

マット・マレンウェッグ氏は、今回の騒動で外せられない人物で、WordPressの開発者です。
WordPressの名前の由来は、「イメージと合っていてドメインが取れたから」というお話を以前読んで面白いと感じました。:https://ascii.jp/elem/000/000/409/409338/index-2.html
 自身がCEOを務めるAutomattic社は 営利企業であり、「WordPress.com」(WordPressのホスティングサービス)、WordPressに標準で入っているスパム対策プラグイン「Akismet」を運営する会社です。
また、WordPress.org(リンク先は日本公式ではない)は、非営利団体であり、WordPressのオープンソースソフトウェアの開発と配布を統括しています。WordPress.orgで配布されるWordPressは、無料で利用できるオープンソースソフトウェアです。
近年、Automattic社とWordPress.orgの関係は、より複雑化しているようで、WordPressのオープンソース部分を活かしつつ、商用サービスを展開する際のバランスが難しい問題となっているようです。

騒動の経緯

2024年9月、WordPressの創業者マット・マレンウェッグ氏とACFを運営するWP Engineとの間で深刻な対立が発生しました。
主な出来事は以下の通りです:

  • 9月20日: マット・マレンウェッグ氏がWordCamp USでACFの機能をWordPressコアに組み込む意向を示唆
    講演の中で、WP EngineがWordPressコミュニティへの貢献が少ないことを批判しました。
    https://youtu.be/vEcz7DrjYvY(WordCamp US 2024 )
  • 9月21日: マット・マレンウェッグ氏がWP Engineを公式ブログで批判 / https://wordpress.org/news/2024/09/wp-engine/
    WordPress はすべてのページ、すべての投稿に加えられた変更を管理する「リビジョン 機能」があることは塾生の皆さんだったらご存じですよね!リビジョンは変更を元に戻すことができ、大変便利です。これらのリビジョンは、データベースに保存されます。WP Engine(ホスティングサービス) はこれをデフォルトでは使えない状態にしています。 WP Engine社は、変更履歴を保存することによるデータベースの圧迫を軽減し、スピードを改善することが理由とされているようです。
  • 9月22?23?日: WP Engine社がAutomattic社 にマット氏と Automattic社 が同社への攻撃をやめ、関連するすべての文書と通信を保存するよう要求する中止命令書を送りました。中止命令書には、マット氏が WP Engine社 の幹部に送信したテキスト メッセージのスクリーンショットと、マット氏が投稿したソーシャル メディアの投稿が含まれていたそうです。
  • 9月23日:  Automattic社 は、WP Engine社 が Automattic社 が管理するさまざまな商標を侵害していると主張し、ライセンス契約の受け入れを拒否し、保存要求も行っているという独自の中止命令書で返答しました。
  • 9月24日: WordPress財団が商標ポリシーを更新し、WP Engineを名指しで批判
  • 9月25日: WordPress.orgがWP Engine社のアクセスをブロック
  • 9月27日: WordPress.orgが一時的にWP Engineのアクセス禁止を解除(10月1日まで)
  • 10月2日: WP EngineがAutomattic社とマット・マレンウェッグ氏を告発
  • 10月13日: WordPress.orgがACFのソースをそのまま「Secure Custom Fields (SCF)」として発表

マット・マレンウェッグ氏は、WP Engine社のWordPressへの貢献が不十分、WordPressを「ハックして」金儲けしているなどと批判しています。一方WP Engine社は、マット・マレンウェッグ氏の行動を「不当」とし法的措置を示唆しました。

この一連の出来事は、WordPressエコシステムに大きな影響を与え、オープンソースプロジェクトの商業利用と貢献のバランスに関する重要な議論を引き起こしています。

WP Engine社

WP Engineは、代表格のACFを開発しているWP Engine社によるWordPress向けのマネージドホスティングサービスです。

商標権の移譲

  1. ACFの開発: ACFは、Delicious Brains社によって開発されました。
  2. FlywheelによるDelicious Brains社の買収: FlywheelがDelicious Brains社を買収し、ACFの開発を引き継ぎました。
  3. WP EngineによるFlywheelの買収: WP Engine社がFlywheelを買収し、ACFの商標権を含むすべての資産を取得しました。

Secure Custom Fields

作者が WordPress.org と変更されていまして、URLとページは、ACFのままのようです。
ここで注意していただきたいのが、ACFがそのままSCFに移行しているので、今サイトにACFプラグインが入っている方は現在更新するとSCFに置き換わるだけで引き続き使えます。
で・す・が!
以下の記事内にある通り開発者を募っている状況なので、期待通りのクオリティの更新が行われるかというと…少々不明瞭な部分がぬぐえないところではあります。

引き続きACFを使う場合

ACF公式から、Zipファイルがダウンロードできますので、プラグインをアップロードして使用は可能です。

まとめ

今のところの見解は、SCFに移行する場合、然るべき開発チームが組まれた上である程度運用されてじゃないと判断できない気がします。
ACFを使用継続する場合、皆様も比較・検討してみてください。

参考

https://chotto.news/the-advanced-custom-fields-feud-that-determines-the-future-of-wordpress-from-ceos-comments-to-trial/
https://capitalp.jp/2024/09/23/matt-vs-wpengine-at-wcus2024/
https://techcrunch.com/2024/09/25/legal-ping-pong-in-the-wordpress-world-continues-automattic-now-sends-wp-engine-a-cease-and-desist-letter-alleging-trademark-infringement/
https://automattic.com/2024/10/02/wordpress-trademarks-a-legal-perspective/
https://majordigital.com/articles/wpengine-trouble-or-automattic-overdrive
https://www.joeyoungblood.com/technology/timeline-of-wordpress-and-wp-engine-drama/
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B0
https://www.youtube.com/watch?v=fNrWoihtoSw

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